バブル時代(1985~1991年)、日本の貿易は絶好調だった。
貿易収支は10兆円以上を毎年稼ぎ、日本の好景気を支えた。
このデータを見ると、当時現役世代であった2021年現在55~80歳の方々は、
強烈に外貨を稼いでるって感じます。
バブル期直後の1997年の日本人平均年収は467万円で頂点だった。
その後は凋落し、2016年は422万円、2021年は436万円と低迷している。
(参照データ:国税庁「民間給与実態統計調査」)
20年以上前の年収を超えれていない。これは日本だけの現象だろうか?
1997年を100として、2016年の世界各国の年収推移を比較すると、
日本は一人負けの状態です。
スウェーデン:138.4
豪州 :138.1
仏国 :126.4
英国 :125.3
米国 :115.3
日本 : 89.7
理由の考察として、日本の経常収支を日本貿易会のデータ分析してみましょう。
経常収支は主に貿易収支、サービス収支、第一次所得収支等から構成されます。
2008年以降の推移を以下に示します。
併記している訪日外国人数は国土交通省観光庁を参照。
用語説明リンク
2019年は貿易収支(輸出ー輸入)では殆ど利益が出ず、サービス収支(外国人へのサービス)がトントン。第一次所得収支(海外からの配当や利子)が貿易収支の利益を支えている構造となっている。
2014年から訪日外国人が増加して、サービス収支が改善してくれたのが救いですね。しかし、あれだけ盛り上がったインバウンド消費でも、貿易収支としてはトントンは意外ですね。
しかし、
貿易収支って、バブル期に比べて激減してね?
日本は貿易立国であるって、学校で習いませんでした?
データと合ってなくない?
日本はヤバくない?
って感じるのは僕だけでしょうか?
バブル期には10兆円の貿易黒字だったけど、2019年は5,000億円の利益しか有りません。
貿易収支の激減は原油高のためって説明されることがあります。
図 WTI原油先物価格(期近もの)の推移 参照:新生銀行2000年までは20[$/バレル]で推移してましたが、大きく上昇しています。2021年2月28日現在で61[$/バレル]です。
日本はエネルギー資源が乏しい国です。しかし、根幹の経済活動はエネルギー資源に支配されています。エネルギーが生み出す電気が無ければ、工場は動かない・流通が止まる・人の移動が止まるってなります。経済が詰みます。
これだけエネルギー資源である原油価格が上昇すると、加工貿易の日本は貿易収支で利益を上げれないでしょう。
頼みの綱は海外投資から得られる第一次所得収支です。しかし、日本人の6割が勤務するといわれる中小企業で、第一次所得収支を安定的に得られる企業は少ないでしょう。
大企業でも第一次所得収支を安定的に得るのは難しくないですか?
このことから、第一次所得収支がキャッシュフローに反映されないセグメントの日本人が大半だと仮定しましょう。バブル時代と比べて、このセグメントは減少した貿易収支でキャッシュインは激減。しかし、キャッシュアウトは高騰する原油価格で激増。このキャッシュフローで給料が上がりますかね?
その一方で日本の経済収支を支える第一次所得収支を稼いでいる企業があるのも事実。
この辺りに、日本人の平均年収が低下し、一部の日本人の給与が高騰している要因もありそうです。
この現状で、僕を含めた一般庶民が出来る行動は二つ。
①自分の能力を高め海外から収入を得られるようにする
②貿易収支や第一次所得収支を得られる企業の株を買う
と感じます。
①は自分の貿易収支を向上させることです。
②は企業が稼いだ第一次所得収支を、日本人に還元させる効果があります。また、当該企業の株価を維持し、資本調達力を高める効果あります。その資本を活用して、更に大きな第一次所得や貿易収支を得られる商品・サービスの開発を支援する効果もあります。
日本の国富を向上させるために、自分に何が出来るかを考える必要ですね。
これからも僕は悩み、行動し、チャレンジを続けます。
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