ご無沙汰しております。
今年は頑張ります。
2025年初来パフォーマンス(4月末) +0.5%
§市況
・3月米国ISM製造業指数は49.0(予想49.5)と悪化。不況時には42以下となるのが目安。新規受注45.2(前回比-3.4)、支払価格69.4(前回比+7.0)、雇用44.7(前回比-2.9)。受注は悪化。雇用も悪化って印象。支払い価格が上昇だから、インフレを伴う景気悪化。製造業はスタグフレーションに向かってるって印象。前回データでスタグフレーション化を指摘されていたから、その傾向が継続の印象。
・3月米国ISM非製造業指数は50.8(予想52.9)と悪化。不況時には42以下となるのが目安。新規受注50.4(前回比-1.8)、支払価格60.9(前回比-1.5)、雇用46.2(前回比-7.7)。インフレ低下、受注悪化。雇用が悪化。景気が完全に低下。意外と雇用が最悪。米国経済は悪化傾向。
・米国政府が不法移民を勝手に「死亡」扱いし、社会保障番号を停止。就業・賃貸契約・医療などへのアクセスを完全に遮断。出国を促す。
・米大手銀2025年1-3月決算は最終増益となり、米国不況懸念の中でも堅調であった。発表当時はドル安で米国離れが懸念されていたが、堅調な銀行決算でドル高となった。各銀行は貸倒引当金を前年同月比30%増加させた。
・3月小売売上高が+1.4%と好調だった。これは関税前の駆け込み需要と言われている。高級スーパーは平日でもレジが長蛇の列。レクサスの販売も好調。需要の先食い懸念を見極めたい。
・基礎化学品ベンゼンのアジアスポット価格が一カ月半で20%の急落。トランプ関税が中国の需要を急減させた。ベンゼンは自動車タイヤや家電樹脂ABSに使用される。連動して、ベンゼン原料のナフサ価格も急落。化学品全般に価格低下が波及する可能性もある。
・HuaweiはNVIDIA「H100」相当の「Ascend910C」を5月に発売できると発表。NVIDIAの独占を崩せるか注目
・AmazonがDC契約交渉を一部停止した。契約済みのDCは構築継続だが、Microsoftと同様の状況と観測できる。
・米国が全ての非米国建造自動車船の入港料措置を発表。7000台積みで105万ドル。実質的に新たな関税となり、貿易縮小の傾向が鮮明になる。海運株が顕著に反応。
・米国1-3月期GDPが-0.3%とマイナス圏に下落。輸入+41.3%、個人消費+1.8%(24年10-12月期+4.0%)と駆け込み輸入と消費が前期比で低迷したことが理由。しかし、GDPから純輸出と在庫を引いた実質国内最終需要は前年比+3%と堅調である。このため実質的な不景気とはなっていない。
・米IT主要4社(アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、メタ)の設備投資状況は以下の通り。設備投資に関して、メタは加速、マイクロソフトは減速。
§今月のトランプ大統領の関税&鎖国政策
●米国が相互関税を発表。EU20%、中国34%、ベトナム46%、台湾64%、日本24%。自動車とアルミ関税は25%。今後は医薬品、自動車、木材の関税を発動予定
→ 90日間の税発効延期で中国以外10%、中国は145%
→ PC、スマフォ等を相互関税から外し、半導体課税を別途検討
→ NVIDIAの中国向け劣化GPUのH20を対中輸出規制
→ 米国か中国かの選択を関税交渉相手に迫る可能性に言及
→ 中国製自動車部品の一部に関税の例外措置を検討中
→ 情報が錯綜。中国の米国製半導体を関税除外報道が直ぐに削除。トランプ大統領の「中国と関税協議を行っている」発言に対して、中国政府が完全否定。中国政府関係者が米国商務庁へ訪問する写真が流出。
●各国の対抗措置
EU:対米投資の凍結、ドイツの米国FRB預託GOLD引き出し検討
中国:全ての米国輸入品に125%課税、米国へのレアアース輸出禁止、米国製品125%関税、今後は相手にしない。米ボーイン機輸入禁止で今後20年間で8,830機の納入が消失
ベトナム:関税0で米国とFTA目指す
・米国の弱い経済指標が急激に多発。トランプ関税の将来的な影響を意識と囁かれる。
§東証から感じたコト&5月の見通し
米国メタの決算でDCへの投資が増加する内容が、半導体株を押し上げた。HBM関連のアドバンテスト、ディスコなどが顕著に反応。米国が中国に対する交渉を実現したいとの姿勢で、関税戦争が和らぐとの観測も相場上昇につながった。しかし、中国が対応実施をしていないので、不透明感がある。
4月末時点でセンチメント系の経済指標は悪化していたが、ハードデータの悪化はほとんど見られない。しかし、JOLTSや新規失業保険申請件数が悪化しつつある。景気後退が実現するか確認したい。
債権変動率 : +12.50%、 指数変動率 : +1.20%
§気になった決算
ASML
16日に2025年1-3月期の純利益が23億5500ユーロ(約3,800億円:前年同月比+92%)となった。前年が-40%減益の反動が出た。新規受注は39.4億ユーロ(予想:61億ユーロ、前Q:71億ユーロ)、2Q 売り上げ見通し72-77ユーロ(予想:77億ユーロ)と先行きは悪化の見通しとなった。
TSMC
17日に2025年1-3月期の純利益3,615憶台湾ドル(前年同月比+60.3%)と好決算を発表。AI半導体が好調。2025年見通しも前年比+20%台半ばの従来予想を継続。決算後の取引では+0.05%で終了した。市場は不満足と判断したようだ。
ディスコ
2026年3月期1Q営業利益が238億円(前年同期比-28.7%)の見通しを発表。アナリスト予想388億円を下回る。この発表に対して、株価が下落しない。これが現在の相場。
§4月に強かった銘柄
今期の好業績。増配を好感
●9766:コナミ
関税の影響が軽微でキャッシュリッチ。スクエニ、バンナムも同系統
§東証先物+現物の売買動向
外国人の売買動向は、
※上記数値はフィクションです。
外国人は3月第5週~4月第1週まで、相互関税とFRBパウエル議長解任構想で、先物売り仕掛けと現物の裁定解消売りを行ってました。この騒動で米国債、米国株、米国ドルのトリプル安が発生し、米国金融システム不安が発生。FRB議長解任構想を取り下げ、米国金融システムの安定化を図った。そのニュースで先物売りを圧倒的に解消し、裁定買い残を積み上げた外国人の手法は素晴らしかった。2市場残を見ても、日経34,000円近辺で買いポジを解消しており、上値の深追いしない姿勢が鮮明となっている。
